愛染明王

愛染明王(あいぜんみょうおう)は、不動明王と同じく忿怒の姿をした密教特有の尊格です。

 

お大師様が唐(中国)より請来された『瑜祇経(ゆぎきょう)』に登場なされる仏様(明王)です。

 

その忿怒(ふんぬ)の御姿は、頭部に獅子冠をかぶり髪を逆立て、六つの臂(ひ)にそれぞれ持物をもち、カッと口を大きく開き、さらに牙をむき出しにしながら、三つの目でキッと睨みつけます。
また、持物は、五鈷杵や五鈷鈴、弓と矢、そして、未敷蓮華、金剛拳を結びます。

 

持物それぞれは深い意味があるとされています。

 

まず、五鈷杵や五鈷鈴が、無病息災、除災招福を、次に、弓と矢は矢文(やぶみ)のように意思の伝達、気持ちや心を伝える。転じて、人との縁を結ぶ、特に、恋愛を成就するなどの意味が。

 

最後、未敷蓮華や金剛拳は、女性的なやさしさや、男性的な力強さなどを、お互いに心や気持ちが通い合うことによって、笑顔や挨拶、思い遣りの気持ちや心が育まれ、やがて仏様の慈悲や智恵をさらに授かることができるようになって、その結果、対人関係が円満になって、どんどんと開運していくように。

 

つまり、真言を唱え続けていると、私たちが本来持っているやさしい心や、勇気・情熱といった力強い心が仏様の慈悲や智恵によってさらに良い方向へ導かれはじめていく。

 

仏様に手を合わされる時に、仏様の持物(仏様が手に持たれているお持ち物)をご覧いただければ、新しい発見が、願いが叶うコツやヒントが見えてくるのかもしれませんね。

 

※ (関連)ブログ記事

 

『愛染明王真言、願いが叶うコツやヒント、”謎、なぜマントラ(真言)をお唱えすると願いが叶うのか”』

 

合掌

 

(注釈)

 

臂(ひ)とは、肩から手首までの部分。腕のこと。

 

矢文(やぶみ)とは、昔、弓矢を用いた手紙や文書を送る際の手段の一つ。

 

 愛染明王真言

愛染明王記事一覧

 参考書籍一覧

坂田 光全(1997/12/1).真言宗常用経典講義 東方出版

松長有慶(2020/06/20).訳注 声字実相義 春秋社

松長有慶(1991/07/01).密教 岩波書店

松長有慶(1969/1/1).密教の歴史 平楽寺書店

中村本燃(2012/3/15).空海と高野山 青春出版社

星野 英紀(2001/11/10).四国遍路の宗教学的研究 その構造と近現代の展開 法蔵館

長田攻一, 坂田正顕, 関三雄(2003/2/25).現代の四国遍路 道の社会学の視点から 学文社

中村元, 福永光司, 田村芳朗, 今野達, 末木文美士(2002/10/30).仏教辞典  岩波書店

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