シリーズ 十三仏(第1番目) 不動明王真言
※ 宗派・宗門や諸寺院、地域などによって真言や陀羅尼、お経の唱え方や作法などに相違がございます。
■ 不動明王 梵名(アシァラナータ)
-煩悩にとらわれた者を教化するために忿怒の姿で現れる仏-
不動明王とは、大日如来の教令を受け、邪悪や煩悩(三毒)を断じ迷える衆生を救済してくださる明王の中心的な存在です。
別名を大聖不動明王、不動威怒明王、無動尊、不動尊、お不動様とよばれ、密号は常住金剛、シヴァ神の異名がそのまま仏教に取り入れられたもので、大日如来の教令輪身〔1〕
※ 真言だけをお唱えしています。
※ 三密観(身・口・意)、三密加持の時などにもちいます。
※ 真言と音木(おんぎ)でお唱えしています。
※ たくさんの方々でお唱えする時などは、調子をとるために音木や木魚などをもちいたりします。
のうまくさんまんだ ばざら だん せんだまかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん (真言宗 仏前勤行次第より)
※ 宗派・宗門や諸寺院、地域などによって真言や陀羅尼、お経の唱え方や作法などに相違がございます。
なお、我が国では奈良時代にその経典がもたらされ、密教(秘密仏教)が盛んにな平安時代以降に不動明王の仏像が数多く造られるようになります。江戸時代になると観音や地蔵とともに広く庶民の間でも信仰されはじめます。
※ 江戸五色不動」(目白、目赤、目黒、目青、目黄)、地名(目白・目黒)などにその名残をみることができます。
(参考書籍・一部引用)
『梵字手帖』
徳山 暉純 (著) 出版社:木耳社; 新版 (2009/10/1)より引用
『実修・書写 梵字宝典』
下泉全暁, 渡辺俊雄 編著 青山社(平成18)
(注釈)
〔1〕教令輪身(きょうりょうじん) とは、仏の三輪身の一つ。無知や傲慢である導きがたい者を救うための忿怒(ふんぬ)の姿。
なお、三輪身(さんりんじん)には、他に自性輪身(じしょうりんじん)、正法輪身(しょうぼうりんじん)がございます。
※ 宗派・宗門や諸寺院、地域などによって真言や陀羅尼、お経の唱え方や作法などに相違がございます。